介護の職場に居るこんな人たち:後編
少しはコロナ禍の状況も良くなってきたのでしょうか。
それでも介護職の待遇は良くなってくれませんね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は前回の記事に引き続き、介護の職場に居るこんな人たち後編をお送りします。
後編
- 何年たっても人に決定させる人
- 言いたい事は言います!の人
- まとめ
前回の記事はこちら↓
①何年たっても人に決定させる人
自分が一番苦手なタイプです。こう言う人は仕事は一生懸命にしてくれますし、優先順位も守って働いてくれている人が多い印象です。
しかし勤務して何年経っても、スケジュールに定めてある仕事であったとしても
「これでいいですか?これをやっていいですか?どうした方がいいですか?それで間違いないですか?指示されたという事でやっていいですか?」
と職場の同僚に聞いてきます。
予定が立ててあるのにも関わらずです。
自分の職場ではスケジュール表にそれぞれがメインで対応する仕事が割り当ててあるのですが、その全てを他人がそうしろと言ったからやっていますと言う風に振る舞うんですね。
結構いませんかこう言う人、過去に転職も何度か経験して部署間の移動も多数経験してきましたが必ず居るんですよね。
責任を負いたくないから、自分は指示されてやっただけだから。と言う後ろ盾が欲しいのでしょうが周囲からしたら煩わしい事この上ありません。
新人の頃にやり方が分からないで聞いてくるのとは訳が違います。
他の職員と同等の能力を有しながら、責任だけ逃れて仕事をする。そう言う人ですね。
実はこう言う人は、その人個人としても問題なのですが更に良くない追加要素を持ってきます。
頼られる側の人間がそれを受け入れてしまった場合、頼ってくる可愛い同僚、自分が導いて上げなくては。
何ていう勘違いも甚だしい思考を一定の職員に与えてしまいます。
それによって派閥と言う物が出来上がり、職場の人間関係や業務に謎のトラブルを呼ぶんです。
どう対処してきたか
先にこっちがら今日の予定を聞く。
そういう風に対応するのが意外と効きました。
「〇〇さん、今日はこれの担当になっているけど、どんなスケジュールで対応しますか?何かタイミング合わせた方が良ければこちらも調整しますけど」
みたいな風に全体の流れの調整をする様な感じで。
朝の申し送りなんかでやると全員聞いてるので効果は高かったですね。
そこでやるべき事を確認させる事で、予定通り動かざるを得なくするんです。
これは意地悪と言う訳ではなく、こうした申し送りや確認を事前に行う習慣を生む事でこう言ったタイプの職員さんも全体で決めた事だからと、自信をもって対応できるんですね。
大体が後で何か言われたらどうしようと思って周囲に同意を求めている状態なので、先にその動きで間違いないよ。と流れを作ってあげるのがとても効果的でした。
②言いたい事は言います!の人
最悪度で言えばこれが一番最悪です。
何か現場に一石を投じている感覚や、自分にカリスマ性があると誤認しているタイプのサバサバ系職員さんに多いです。
自分はこういう性格だから、思った事言わないと気が済まないんですよね。
決まってこのタイプは正当な権利の様にこんな事を言ってきます。
気が付いてほしいです、どういう性格であれ許されるのは「そう言う事を思う」所までです。
そこを超えて組織の仕組みの中に言いたい事だけバンバン言うと言うのは、自制が出来ていないのを周囲に露呈しているだけなんです。
小学生とか中学生の様に、倫理感を学んでいる最中の年代ですらここまで酷くはありません。(最近はむしろ若い世代の方がこの辺はしっかりしている印象です)
社会人歴の年数が2桁に入っている様な人間が、自分の口から出た言葉で周囲の人間がどういう気持ちになるか、現場の仕事の妨げになるかを理解せずに言いたい事を言ってしまうと言うのは余りにもお粗末です。
おまけに周囲へのストレスも凄いですね。最終的に言わせるだけ言わせておいて放っておこうとなる事が多いんですが、そうすると余計勘違いして発言をバンバンする様になったり。
本当に職場の癌の様なジャンルの人です。
TPOが分かりません!って大声で言っている様な物なのに、よくこんなに好き勝手言えるもんだなと感じる事が大半でした。
どう対処してきたか
これへの対処法が一番不安定かもしれません。
自分は一時期このタイプの人が余りにも他人への暴言を、周囲に聞こえる様に独り言の様に言い続ける所謂他人への攻撃が強くなってきた時期がありました。
自分を含め皆うんざりしていたのですが、職員間で相談して上司へ報告しても普段が仕事をバリバリやる人な物で「好きにさせて置いて周囲が我慢しよう」と言う最悪の返事をされたことがあるんです。
ヤバかったですねその時は。言いたい事を言う人は内容自体は業務に沿ってたりするので提案や発言力と言うのは非常に高いんです。
問題はその内容に個人攻撃が当たり前の様に含まれている事。
その部分だけ無ければ良く提案をする人程度で済むんですが、その辺が人間出来上がってない人なんでしょう。
我慢する方も割り切って我慢したとしても、毎日の仕事の中でそんな調子じゃストレスは溜まってきます。
この時はもう「被害」として報告しようと言う事になりまして、普段は現場に来ない上司に証拠を提出する為に皆でその様子を録音して其々が上司へ被害を受けたと報告しに行った事で自体はある程度収束しました。
しかしこういうタイプの人は時間が経つとまた同じ事をやり始めるので、また報告。
この繰り返しで何とか凌いでいた状態でした。
その人は注意される回数が増え結局退職してゆかれましたが、他の記事でも散々言っている介護の現場で必要以上に頑張らず仕事をするには日々のスケジュールを無駄なく最短で終わらせる必要があります。
出来た余裕で不測の事態などに割り振る時間を用意しなければいけないんです。
それが出来なければサービス残業が元々の業務に組み込まれている様な職場環境になり、ずっとバタバタとしているのでご利用者様の対応の質も忙しさと反比例して悪くなっていきます。
なのでこう言ういざこざに時間を割いている事自体が無駄の塊なんですね。
出来れば避けて行きたい経験でしたが、今は最善の手としてそう言った物を我慢せずにしっかりと道筋を用意して正当に訴えると言うのが一番だなと感じています。
我慢できないからと言ってその場でこう言う人と同じ事をやっては面倒ごとが増えるだけですからね。
③まとめ
今回の職場に居る人シリーズはいかがだったでしょうか。
自分はパワハラを受けてからの休職経験があった事から、基本的に我慢して必要以上の事をやると言うのは拒否して仕事をしています。
そんなので働く人間に良い影響がある筈もありません。
不満たらたらで仕事をする事が一番現場に悪影響を及ぼすと感じています。
今回ピックアップした種類の人達も、一部にすぎません。
きっと自分の様に働き方を間違えた人でなければ、また他の困った人が目につくのでしょう。
介護と言う仕事は一見すると慈善活動の様な、優しさで成り立っている仕事に見えてしまいます。
それは大切な事の一つであるだけで、それで成り立っている訳ではないんです。
そう言う理念を元に、プロが頼まれた事を安定して供給する職人の現場です。
気持ちで人を救う手助けは出来ますが、気持ちだけでは人は救えません。
そう言った部分に依存しているからこそ、現在の介護業界は無理難題が降りかかっている環境から抜け出せずに辛い仕事と言う印象がぬぐえずにいます。
やるべき事をしっかり行った上で、何ができるか考える事が出来ればもっともっと質は上がり十分な対応力を備えた責任のある仕事になるのかなと強く感じています。
気持ちと言うのは目に見えないからこそ、使いどころが大切なんです。
どれだけそう言う優しい想いを沢山持っていても、物理的に何とかしているのは動かしている身体の方です。
その対応がしっかりできている事、そしてそれに対して優しさや他の付加価値を見出して行く様にしないと気持ちと裏腹でキャパシティを超え続けた仕事を受ける状況から抜け出せませんね。
飲食店に行って、100人前の料理を2分で持ってこい!と言ったら普通はどう返事が返ってくるでしょうか。
分かりましたすぐ持ってきますとはならない筈です。
それと同じです。出来ない事、出来る事をしっかりと相手に伝えて行かないと周囲がモンスターばかりになってしまいます。
頑張ろう、努力しよう。そう言った物は必要な事ではありますが、今一度どうやって頑張るのか、何を努力するのか。そう言う部分がしっかりと整備されてゆくと良いなと感じます。
人間関係は介護業界における働きにくい原因の上位に入ると思います。
前回から書いている記事の内容で全て解決する、これが正しいという気はありません。
しかし、そう言った物により体と心を壊し休職した一人の仕事が下手糞な人間。
その人間が復職した後に普通通り仕事が出来る様になるまでの体験談なので、必要な部分だけ活用して頂ければと思います。
自分の心の整理の様なつもりで書いているので、全く逆の人生を送っていてこの話も未熟だと感じる方も多いと思いますがどうぞよろしくお願い致します。
介護の職場に居るこんな人たち:前編
朝夕寒くなってきて腰が痛いですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は介護現場に居るあんな人こんな人についてです。
良い悪いの話という訳ではありませんが、あまり自分にはいい影響を与えてくれない人っていますよね。
未経験で働き始めてから管理職になるまでに出会った「こう言う人には注意」という傾向や、関わって失敗した体験談や回避方法などを書いてゆこうと思います。
職場に居るこんな人
前編
- 自称経験豊富ベテラン
- 慈愛の心に極振りしてる人
- 突然予定にない事をやり始める人
今回はここまで体験談を書きます。
後編
- 何年たっても人に決定させる人
- 言いたい事は言います!の人
- まとめ
次回は後編としてこの3つを書きます。
①自称経験豊富ベテラン
これは未経験の時から良く見るタイプでした。
〇〇年以上の経験がある!と自信満々に人のやる事に一言二言文句をつけてきて、仕事中の行動理念が他人のどこが悪いか教えてあげる方向に向いちゃってる人。
今思い返すと本当に経験豊富な人ってこの真逆のタイプが多いんですよ。
物事の優先順位が分かっているし、それが当たり前だと思っているので一々「昔はこうだった」「こういう素晴らしい実績がある」なんて言ってこないんですね。
常に文句を言ってくる自称ベテランさんと言うのは、意外とブランクが長かったり在籍が長いだけでパッと見で仕事ができる様には感じないタイプの人が多いです。
スキルを自然に出すのではなく、見栄えが良いように狙って人が見ている場で自分より劣ると判断した相手に向かってまるで必殺技の様に過去の得意技術や理念を披露してきます。
実は自信が無いんですね。互いが実力を出し合って効率よく仕事を行う事で職場は余裕が持てるし質が高くなります。
でも周囲に合わせる気が無く、自分がやりやすかった事だけ使って自信の様な物に変換して働いているんですね。大抵はやってますアピールとしごく当たり前の事をドラマチック且つ劇場型に元気に振りまきながら仕事の邪魔をしてきます。
こういう方が居ると、必要最低限の仕事に常にプラスαで何か気にしておかないといけない事が出来てしまって本当に非効率的ですよね。イライラもしますし。
どう対処してきたか
最初の頃は言われるまま話を聞き、自称ベテランさんが言う業務を一生懸命やっていました。でも実はそれって、別に本来やるべきご利用者様や家族から頼まれている仕事内容ではないんですよね。
一見すると見栄えの良い親切な行動に見えるんですけど、本来平等に他の方にも対応しなければいけない時間に食い込んでくるので結果として仕事は滞ります。
何よりも本来やらなくて良い仕事を勝手に増やしてしまい、更には一度やったが為にすぐに撤回する事が出来ず他の職員さんにも突然新たな仕事が増えてしまうんです。
契約時に頼まれていない事なのに。
初めて管理職についた頃、そう言う人は不思議と協力的な人に見えてきます。
ですが暫く立つと一見その現場では中心的に色々チャレンジをしている人に見えて、問題が起きた後に振り替えると大抵の出来事の中心や発端だったりするんですよね。
もっと早く気がつけばよかった、と深く後悔する中で自分が休職を挟み復職してからはこう言う人はもう適当にあしらおうと心に決めて仕事に戻りました。
具体的に何をやったかというと
- 話は聞いている様に振る舞う
- 突然親切をされても絶対にありがとうとは返さない
- 分かりました!と答えた後も普段通りの仕事をする
です。
この3つは本当に効果がありました。
取りあえず相手を満足させてしまおうと言う意図で行っていたんですが、表面上は話を聞いているので喜んで自慢げに話してくるんですね。
しかし全然自分の言った通りにしないし、手本を見せつけても全くお礼も言わない。
そうしてゆくと段々と事務的なやり取り以外はやらなくなってきます。
じゃあ仕事に影響が出るんじゃないか?
いいえそんな事はありません。元々やらなくていい事なので、別に何の変化も起きないんですね。
変化があったとすれば、無駄な事や予定外の事をしなくて良くなったので現場全体がスムーズに回る様になった事くらいでしょうか。
そうなってくると自称ベテランさんの行動が、より強い全体の流れの邪魔になっているのが浮き彫りになり次第に普通に働く様になってゆきました。
一番注意した点は、必要のない事を無理やり手伝ってきた時やあと少しで終わるこちらの仕事の最後の方だけ声をかけて来て手伝い、あたかも自分が中心に仕事をしたんだぞという行動に関しては本当に一切お礼を言わない様にした事です。
逆に本当にやってお金くてはいけない仕事に関して手を貸してくれた時などには率先してお礼を言うようにしました。
自然とそうやってこの現場で何をやるべきなのかを学んでいってくれたんだと思います。
②慈愛の心に極振りしている人
これも厄介でした。何と言うんでしょうか、介護業界は人を相手にした仕事なので持ち論親切であったり心遣いが行き届くのは良い事なんですよね。
でもそれは大前提として、依頼されている仕事内容をしっかり行えている場合です。
題材に上げましたが慈愛の心に溢れていても、そこさえしっかりしてくれていればむしろ優秀だと思います。
しかしこのタイプは、親切にする事だけに特化していて通常の業務を覚える気がありません。
「どうぞ、休憩取ってきてください」なんて物凄い頻度で色んな人に言うもんだから言われた方は休めて嬉しいんでしょうけども、休憩に行かせるだけで自分も仕事はしない。
むしろ人を休憩に頻繁に行かせることにより、その人と交代で休憩に入る。
なんて結構ずるい動きをするんですね。
しかも休憩に行かせた相手が返ってくるまで作業は行わず、相手が帰ってきて自分と入れ替わる時に今まで自分が仕事をしていたかの様に「今これの途中なんです」なんて言って出て行くんです。
そして帰ってくる頃にはその仕事は入れ替わった人が終わらせていますので、満面の笑みでお礼を言いまくる。そんな動きをする人ですね。
このタイプに見られる特徴として、職員とご利用者双方に物凄く親切ですがこの職員が実際に介護技術として何か対応しているのを見る機会が滅茶苦茶少ないです。
当然ですね、全部人に任せてお礼だけ言っているんですから。
そして怒涛の休憩室への差し入れなどで気遣い上手をアピール、仕事はしない。
どう対処してきたか
これは単純です。どれだけそう言う親切を仕掛けて来ても受けない事。
それだけで自分に利益がないと判断して離れて行きます。
そして断り続けていると、本当の休憩時間を狙って同じ行動を仕掛けて来るのでその場合は相手の持ち場仕事はそのままにして置く事。
別に人の分までやる必要はありませんので、相手が帰ってきてその人の担当である仕事が他人の親切によって終わっていなくても何も文句は言えません。
そしてこちらの仕事は終わっているのでどんどん仕事内容に差がついてくる、残業時間も変わってくる。そんな事を繰り返していく内に普通の職員さんに戻って行きました。
本当は本人としては心から親切をしているつもりなのかもしれません。
しかし気持ちだけでは人の生活や命をお預かりする仕事は成り立ちません。
成り立っていない分だけ、現場は忙しくなり本来求められている内容を提供できず忙しくて達成率の低い現場になってしまいます。
出来ない事を親切で埋めてもらうより、頭数に入っているならぶっきらぼうで良いから仕事に真摯に向き合ってほしいですね。
③突然予定にない事をやりだす人
これは①で書いた自称ベテランさんに多いですが、新人さんの時期をやるべき仕事を教えて貰えずに見て覚えろで済まされてしまった人に一番多い気がします。
実力が足りない、ノウハウが出来ていないので苦手意識から本来やるべき内容に近い全く別の事をやり始める。と言った流れでしょうか。
何かしようと思うのはとてもいい事です。
しかしそれはあくまで、依頼されている内容が終わったらの話ですね。
全く違う事をやって楽しく時間を過ごしてもらっても、相手が頼んでいた仕事は何も出来ていないのでは契約内容に反します。
勿論当日の状況などで対応が難しい事もあるでしょう、完全に毎日完了させるのは難しい事です。
しかし、それによりケーススタディが生まれますし改善にも繋がります。
予定にない事、その日その時しかやらない事と言うのは要所で使うには付加価値として前向きな物ですがそれをベースに仕事をしたのでは話が変わってきます。
何度もお話していますが、それによってズレる時間と言うのは利用者様に対応すべき時間を削り現場をバタバタさせ、そして職員の残業時間も伸びてしまいます。
更に最終的には頼んだ事が出来ていない為、利用者様側からのクレームも起きやすくなるでしょう。それがリハビリに繋がる事などであれば、例え文句を言われなかったとしても目の前でどんどん利用者様のADLが下がって行ってしまいます。
依頼内容通りに仕事をしていれば、ADLの維持向上に役立っていたかもしれない。そう言う物をないがしろにして行くとその場は楽しいかもしれませんが、望んだ未来はいつの間にか逃げて行ってしまいますね。
ご利用者様の為、という言葉を盾にして自分のやりたい事をやっているだけの職員さん。前向きなだけあって地味に対応しずらいんですよね。
どう対処してきたか
これは徹底的に職場内のミーティングで発信しました。
あくまでも良い行いではあるが、やる事に優先度はつけましょうと。
本来やるべき事をやるだけで一日のキャパシティが埋まっている場合、それはそちらを一生懸命やる事が相手を尊重する事にもなりますし仕事に対して真摯な姿勢だと思います。
やるべき事をやって、余裕がある場合に予定外の事を計画組んで行う。
その流れになる様に訴え続けましたね。
結果は完全に成功とは言えませんが、優先されるべき事が優先されるように変わって行きました。全体の流れって言うのがあるので、自分達の負担がその瞬間だけ減っている様に感じるこう言う出来事は中々取り除くのが難しく感じました。
気が付いたら思い切って発言するのも吉じゃないかなという体験でしたね。
方向性が「その人が言っている事をやりたくないから」だけだとダメでしょうが、本当に現場の理念や年間目標に沿った物であれば大抵採用されます。
中間まとめ
本当に色んなタイプの人が多い介護業界ですが、人と関わると言う事や福祉全体の理念が優しい方向を向いている仕事なのでこういう人は育ちがちです。
しかし優しくして置けばいいと言う仕事ではありません。
一般の方では続ける事が困難な仕事を行う為、そしてそれに特化しているからこそご利用者様の気持ちを考えた敬意のある仕事が出来る訳ですね。
我々が使用する国家資格もその為にあります。
何でも言う事を聞く為、とにかく親切にする為にこの資格は存在している訳ではありません。もし、そうだと言ってくる上司が居たとしたらそれは職員ではなく奴隷を求めています。
盾にする言葉の多い業種だと思いますので、こういった悩みは今後も無くならないんだろうなぁと少し悲しくなったり。
次回は残りの2つとまとめを書いてゆきます。
もしよければまたご覧ください。
後編はこちら↓
頑張らない介護の歩み方と空いた時間でやれた事。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
毎年季節の変わり目が分かりにくくなり、突然寒くなったりしますね。
そういう時期は仕事なんかも辛くなりがちです。
このブログでは介護福祉士として未経験から管理職まで現場を経験して、そしてどうやら働き方を間違ってしまった一人の人間がパワハラでの休職~復職を行い現在に至るまでの様子。
そしてそこで出会った「頑張らない介護職としての働き方」を書き綴って行こうと思います。
また、それにより得る事が出来た自分時間と言う素晴らしい時間について何かのきっかけになれば良いなと感じたアイテムなど紹介してゆこうと思います。
- 頑張らない介護は手抜きではない
- 「頑張る」ではなく「やるべき事を最優先で行う」事が重要だった
- それによって得た物(仕事面)
- それによって得た物(プライベート面)
- まとめ
①頑張らない介護は手抜きではない
まず「頑張らない」と聞くと手抜きと考える人が多いのではないでしょうか。
実際は違います、多くの場合介護という職業や大きく言えば福祉という分野は「頑張り過ぎ」なのです。
そもそも仕事とは依頼された内容を依頼通りに行う事で成り立っています。
それに対して報酬が発生し、雇い主へ安定した労働力を提供します。
介護職もそれに漏れる事は無く、専門職ではありますがこの図式に当てはまります。
そうすると現場で良く言われる「頑張ろう」という部分に対しての見方が変わってきます。
「頑張る」とは、上へ上へ向上する事だけを指すのではありません。
ご利用者様、家族からの依頼に対して必要な事を対応するのが仕事です。
未経験から管理職まで経験し、ずっと感じていた違和感がありました。
よくあるパターンですが、管理職時代に自分や現場で働く職員さんに感じたその違和感は「頼まれてない事までやってるな」という事。
そして何より、頼まれていない事をやっているから現場が何故か予定より忙しくなっているという事でした。
もちろん大前提として、業務を丁寧に。ご利用者様に親切に接すると言うのは福祉系の職業が持つ理念でもあり職場自体がそれを推奨している場合が多いです。
それはこの仕事をやっている身として、誠心誠意心掛けています。
しかし、冷静になって考えてみると本当に頑張るべき事って「頼まれていない事」ではなく「頼まれた事」なのでは?と休職期間に忙しかった頃を思い出してハッとしました。
②「頑張る」ではなく「やるべき事を最優先で行う」事が重要だった
これが一番の発見で、パワハラで休職した自分が復職したら最初にやろうと思った事がまずはこれだったんです。
理由としては、復職するのに前と同じ事をやっていたら何も変わらないから。
これを試して駄目だったら単純に自分に合わなかったって事だから退職しようと思っていました。
なんでこんな基本的な事に気が付かなかったんだろう、と言うのは皆さんが普段働いている職場でも心当たりがあるのではないでしょうか?
やるべき事と言うのは依頼された内容その物です。
例えば
・トイレ介助をしてほしい
・食事介助をしてほしい
・更衣介助をしてほしい
等のご依頼をされているご利用者様が居たとします。
本来ここで行うべきは前述した3つがベースであり、それに付加価値として施設で全体に向けて行っている体操だったりレクリエーションなんかが付属されてきます。
復職してすぐ現場の流れに合わせながら働き、周囲を観察してみるとやはり明らかに忙しい原因って言うのが「頼まれていない事」に集中していました。
一人の対応しやすいご利用者様へ過剰に依頼内容の範疇を超えた物や、確かにやって貰ったら嬉しいだろうなという過剰な動きが積み重なって仕事が圧迫されていたんです。(対応しやすいご利用者様と言うのはあくまでも一例です)
本来あるべき流れとしては、ご依頼されている内容を対応し終わったら同じ様に他の方を対応してゆく事です。当たり前ですけど。
手の掛かる状態のご利用者様がいたら、協力してまずは順番通りそちらを対応するべきなんですね。
これが出来ていないと、現場のやりやすい仕事内容に依存した「その時にしか出来ない事」なんかが横行してきます。
現場がやりやすいならいいじゃないか、と思うかもしれませんがこれは違います。
何故ならば、現場がやりやすいだけでそれ以外にも本来やるべき業務が残ったままになってしまうからです。
現場のキャパシティに対して最大限、又は安定して提供できる内容を契約している訳ですから、相手方は実はそれで納得済なんです。
それより優先して、頼まれていない仕事をどんどん自分からやってしまう。
そして挙句それに圧迫され本来最優先で行っておかねばならない仕事が終わらない、慌ただしくなる。なんて事が発生していました。
種類は他にもあると思います、純粋に大変なご利用者様を対応するのに時間がかかってしまった、という事もあるでしょう。
しかし、仕事が遅れてしまう。という状況は本来そう言った頼まれている仕事内容にだけ発生しなくてはなりません。
そうしなければ現場のキャパシティに対して起きた問題へ的確な対策が打てず、誤魔化しで日々業務に追われてしまうのです。
こういった流れは注意して見ていると、本来行うべき業務を後回しにして発生しているパターンが殆どです。
逆に言えばそう言った付加価値として行っているサービス的な物と言うのは、この項目のタイトルにもありますがやるべき事を最優先で行った場合に生まれる余裕に対してあてがわれるべき内容なんです。
物凄く忙しい、しかしやる事はしっかりやっているので依頼内容に不備はない。
というのと
時間に余裕があったから色んな事をやったんです。でも頼まれていた事はバタバタしてしまいました又は何か出来ていない事があります。
では後者に対しての方が依頼した側もちょっと違うんじゃないかなって感じてしまうのではないでしょうか。
その場合、現場への達成感と言うのも訪れないまま要望が増え、既にやってしまってご利用者や家族に気に入られた「頼まれていない事」と言うのはやめるのが難しい状況に陥ってしまいます。
「いつも追加のサービス沢山考えてくれてありがとうね、それのクオリティは下げずに頼んでる事もやってね」
という、同じキャパシティ割と絶望的な状態に気が付いたらなっています。
少しでもご利用者様に何かやってあげたい、と思うのであれば本当に行うべきは
毎回安定したレベルで依頼内容を提供する事=やるべき事を最優先で行う事なんですね。
「それでは何かサービスが足りない気がする」と思うのであればそれはきっと、元々の依頼内容自体に余裕があるんです。
しかしどれ位の付加価値を提供するか決まっていないまま、思いつく限りの優しさでサービスを増やしていった結果、頼まれていない仕事に追い詰められてしまうんだと思います。
依頼内容をしっかり終わらせた後に初めて「どれくらい他の事をやってあげられる」という実現可能な物が見えて来るんです。
しかも不足していると思った部分は本人やご家族とのアセスメントなどで満足いく「やるべき事」として変わってゆくものですし、それ以上を望まれないのであれば全体のご利用者様に平等に対応する為に付加価値は一定で留めて置くと言う選択肢もあるんです。
実際にこれを意識し始めてから、まず率先して依頼内容を行う様に現場で動き始めました。
「あー、今余裕あるな」と思っても、まずは後からでも出来そうと取って置いた仕事を先に行ったり。
前述した優先度の間違いは新人の職員さんにも起きがちで、仕事に慣れない最初のうちは出来ない事を埋める為に必死で頼まれてない部分を頑張ってしまう現象が多いと見て分かるようになりました。
そう言う場合は出来ないから他の事をやらせておくのではなく、必要な事として優先的に苦手な事や出来ない事に一緒に関わる様にします。
すると仕事の内容はまだまだこれから、という新人さんでも「何を最優先で行うべきか」はしっかり覚えてくれるようになったんですね。
自分自身も忙しい時につい発してしまいがち、思ってしまいがちな
「少々お待ちください(これ忙しいだけで凄い何となく言ってる人多い)」
が「今は〇〇を行っていますので、終わったら伺わせて頂きますね」など、目的がハッキリした受け答えがご利用者に出来る様になってきました。
結局待たせてるじゃないか、と感じる人もいると思いますがこれはアセスメント時に満足度調査などを行った際に変化が見られました。
待つ理由が分かっているだけで、必ず対応してもらえると分かるので安心感が違うんです。疎通が取れる方やそうでない方も含め、目的がある動きと言うのは自然と安心感を持ってもらえている様でした。
③それによって得た物(仕事面)
こういう活動は仕事をするうえでも非常に得るものが大きかったです。
具体的には
・精神的な余裕
・仕事をしっかり行えている達成感
・ご利用者からの満足度アップ
等が主な物でした。
精神的な余裕と言うのは中でも一番大きく、やるべき事をやっているという事は契約上で言えば100点に近いです。
頼まれていない事をやっているベテランさんなんかに「もっと工夫して!色んな事やって!」と言われたとして、どう考えても職場と依頼主が望んでいる仕事をしているのは自分の方です。最終的には自らの持ち場の仕事を後回しにしている人と差がハッキリわかれ、それは職場での働き方にも大きく影響してきました。
人間関係が物凄く良くなったんですね。これは主に、自分が要領が悪くて仕事が全然だった時に「あの人仕事出来るなぁ」と思っていた人たちとです。
逆に普段休憩室で不平不満を言っている様な人達とは自然と疎遠になりますが、それにより何か問題でも起きたとして職場から見て問題があるのはやるべき事をやっていない方です。
なんならアドバイスしてあげようか?位の状態になり、仕事場での気分も凄く軽くおまけに評価も上がりました。
そしてそう言う人が増える事で仕事の効率は上がってゆきます。
たとえ自分だけしかそうでなくても、凄くバタバタしている現場で自分には精神的余裕があって尚且つ職場から見たらやるべき事は全て行えている。
そうなると自分に対する非と言うのがどんどん減ってきますので、働きやすくなってきます。
何より管理職時代はこの場合で言う、悪い考えのドツボ状態だったんだなと再認識。あれもこれもやらないといけない、もっと良くしないといけない、もっと、もっと。
とノイローゼの様になり、上席からも更に良くしなさい。
と言われ慌ただしかったあの時に本当にやるべき「更にに良くする」という事への正解がこれだったんだなぁと実感しました。
新しい事を増やして無理して満足度を上げるのではなく、こうした基礎の部分をしっかりやる事でいくらでも余裕は生まれ本当の意味での仕事を良くするアイデアなんかが出て来るんだなと。
実際に自分は未経験~管理職時代に払っていた労力の半分も出さずに仕事ができているのですがお給料なんか変わらないんですよね。
あれだけ努力してた(と思ってた)時と変わったのは管理職を自分から退いた事で変わった手当分くらいです。
この位の労力で文句言われず、むしろ良い方向に行ってるのに同じ給料がもらえるのか。となってしまった物ですから、そこからは現在感じている余裕と言うのを仕事の色んな事に使う事が出来て助かっています。
職場にとって悪いニュースが飛び込んできた時だって、「なるほど、じゃぁ改善策を考えてしっかりやっていこう」位に思えるようになりました。
やるべき事をやっていないベテランさんは改善策を出さずに、過去の事をあーでもないこーでもないとより一層うるさくなりましたけど。
④それによって得た物(プライベート面)
これはもう、時間です。
何よりもこれが大きいです。必要な事が終わっているので昔の様になんで働いてるかも分からない時間までの残業なんか一切やりません。
残業する事で周囲と顔色を見ながら人間関係を保っていた様な事もしなくていいですし、殆ど「今日はありがとうございました!明日もよろしく!」で帰宅します。
自分が完璧に仕事ができるとは思っていませんが、昔から要領よくて仕事ができるなぁと思っていた人ってこういう風にメリハリのある動きをしてる人が多かったので「こういう事だったんだなぁ」ってしみじみしたのを今でも覚えています。
因みにそのお陰で月間で一桁位しか残業はしません(ミーティングとかが主)
これにより家族との時間、趣味の時間、ただひたすら休みたい時間なんかが毎日確保できるようになりました。
暇という訳ではないんです、何と言うかやれる事はしっかりやったし失敗したとしても文句より先に真摯に改善すべき事として反省する事が出来る様になったので家に居ても仕事場の事を一切考えなくなりました。
意外と多いんじゃないでしょうか?自宅に帰ってもその日起きた悪い事とかイライラした相手の事を考えている時間が長い人。
改善策とか前向きな事を考えたりするのであればまた違うかもしれないのですが、自宅でどれだけ協力にそれらを念じても職場に超常現象的に何か変化が起きる事はありません。
イライラした相手に関しても、両名はっきりと喧嘩したとかでなく不満レベルであれば恐らく相手はこちらの事なんか考えてすらいないんですよね。
そんな相手の事をプライベートの時間を使ってまで考えるのはハッキリ言って無駄です。仕事は仕事場でしか発生しませんし完了しません。
忘れちゃいましょう。
明日はこの仕事をする!と退勤時までに決めて帰って、翌日それを行えれば何の問題も無いんです。むしろそっちの方が誰もがありがたい状態だと思います。
そんな訳でプライベートが充実し、途絶えていた旧友との交流も増えてくるともう一つハッキリする事があります。
必要な事が終わっていて、尚且つそれが維持できているのであれば有給休暇って普通に取っていいんじゃない?と。
何を言っているんだ、有給休暇は誰だって取っていい物だぞ!と思う素晴らしい仕事をされている方もいるかもしれないのですが自分の様に働き方を失敗した人間はそれが分かっていても休むことなんかできませんでした。
理由も無く休みたい、って思っていた状況から「来月はここで私用を済ませたいから有給取りますね」が言える様になったんですね。
これは職場の状況により絶対取れるとは言いずらい物がありますが、物事の優先順位とか必要性が分かって働いていると言える様になるんです。
急用以外で物凄く忙しいと分かっている日にわざと取得するとかそう言うのは流石に駄目だと思うのですが(規則上は可能ですけど)、事前に申請してそれに合わせて仕事を進めたり準備して休むのであれば本当に全く問題ないんですよ実は。
急に休んだら現場の人も困ってしまうとは思いますが、自分が休んだせいで今日は何もできない!なんて事は絶対に無いんですよ。あったとしてもそれは自分ではなく、有給休暇の申請を受け取ってもなんの準備もしなかった職場に原因があります。
しっかり休みましょう。有給全部消化する!と言うのは難しいかもしれませんが、本当に大切な時に使う日数以外は使える時に使う練習をするのも大切だと思います。
仕事をしっかりする上で、そう言うスタイルの人だと周囲が慣れるまでそんなに時間はかかりませんし有給を使わない様に指導してください!なんてのは仮にそんな文句があったとしても通っちゃったら労働基準監督署の出番ですね。
有給休暇を取る理由は遊ぶだけではありませんし、緊急の時だけでもありません。
最近仕事で疲れてるなーと思っている場合に「今後体調を崩して職場に影響を出さない様に」リフレッシュする目的で使っても全然良いんですよ。
自分はそれのお陰で行えていなかった趣味を復活する事が出来てとても心身ともに安定しています。
休むだけでも良いんですが、やはり趣味が心置きなく出来ると言うのはメリハリがついていい循環を生むんですね。
記事の最初の方に書きましたが、このブログではこうした自分の体験談と併せてプライベートで気分転換に役立ったアイテムなんかを紹介してゆく予定です。
理由としては自分も休職中にそうだったのですが、仕事で悩んでいたり疲れている時ってリフレッシュしようにも何やろうか思いつかない事が多いんですよ。
その時に何をやって復職までリフレッシュしたかというと、色んな人が紹介する楽しかった!という趣味を真似したり興味を惹かれたアイテムを自分も買って見たりして過ごしたんです。
元々アウトドアが趣味なので、何年も行けていないキャンプでもしようかと色んな商品を見たりしました。
最近の物は良く分からないので、最初は安い物から手を出して次第にこだわって行ったりして。今ではすっかり楽しんでいます。
抑圧された心身と言うのは自然と触れ合ったり、外に出なくても普段と違う物を使って見たり些細な事でも変わってゆくと感じました。
記事の内容自体が辛い仕事を思い出したりして書いたり読んだりされる物でもありますので、記事の最後の方では気分転換や何か新しいきっかけ作りになれば良いと思っていますので色々と目についたものを紹介させて頂こうと思っています。
⑤まとめ
長々と書きましたが、これだけ持論を展開しておいても「これが正しい」とは言えません。人の考え方は千差万別です。
しかし、一人の失敗した人間としての体験談ではありますので必要な所だけでも参考にして貰えると嬉しく思います。
介護の仕事に対して感じているあなたの辛さと言うのは正しいです。
本当に辛い仕事です、物凄い労力なのにお給料安いですし責任も重いです。
頑張るぞ!と全て我慢して仕事をして成功する人も中には居ますが、介護と言うのはゴールして次の案件!なんて言うジャンルの仕事ではありません。
自分の持つ技術を安定して提供する為に国家資格などを用いて、プロとして働いています。無理をして不安定な仕事をするのは誰にとっても良い事ではありません。
なので長丁場のこの仕事、頑張らなくて良いんです。必要な事さえできていれば。
望まれているサービス内容を自分なりにしっかりと達成する為に、一つの考え方としてこう言うのはいかがですか?と言った感じで読んで頂ければ幸いです。
プロとして必要な事は必ず行う真摯な対応を続けていれば、頼まれていない事をやって本分を疎かにする人より絶対に相手の役に立っています。
この記事を読んでいる人は仕事に迷いや悩みがある人が多いと思います。
どうせ迷った挙句普段通りの生活に戻ってしまうなら、自分だけでも守ってあげてください。仕事は大切ですが、仕事をしているあなた自身も大切な人間です。道具ではありません。
今後も体験談を書いてゆきますので「こいつ本当に要領悪く仕事してたんだなぁ」位に思いながら読んで頂ければ幸いです。