頑張らない介護の歩み方と空いた時間でやれた事。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
毎年季節の変わり目が分かりにくくなり、突然寒くなったりしますね。
そういう時期は仕事なんかも辛くなりがちです。
このブログでは介護福祉士として未経験から管理職まで現場を経験して、そしてどうやら働き方を間違ってしまった一人の人間がパワハラでの休職~復職を行い現在に至るまでの様子。
そしてそこで出会った「頑張らない介護職としての働き方」を書き綴って行こうと思います。
また、それにより得る事が出来た自分時間と言う素晴らしい時間について何かのきっかけになれば良いなと感じたアイテムなど紹介してゆこうと思います。
- 頑張らない介護は手抜きではない
- 「頑張る」ではなく「やるべき事を最優先で行う」事が重要だった
- それによって得た物(仕事面)
- それによって得た物(プライベート面)
- まとめ
①頑張らない介護は手抜きではない
まず「頑張らない」と聞くと手抜きと考える人が多いのではないでしょうか。
実際は違います、多くの場合介護という職業や大きく言えば福祉という分野は「頑張り過ぎ」なのです。
そもそも仕事とは依頼された内容を依頼通りに行う事で成り立っています。
それに対して報酬が発生し、雇い主へ安定した労働力を提供します。
介護職もそれに漏れる事は無く、専門職ではありますがこの図式に当てはまります。
そうすると現場で良く言われる「頑張ろう」という部分に対しての見方が変わってきます。
「頑張る」とは、上へ上へ向上する事だけを指すのではありません。
ご利用者様、家族からの依頼に対して必要な事を対応するのが仕事です。
未経験から管理職まで経験し、ずっと感じていた違和感がありました。
よくあるパターンですが、管理職時代に自分や現場で働く職員さんに感じたその違和感は「頼まれてない事までやってるな」という事。
そして何より、頼まれていない事をやっているから現場が何故か予定より忙しくなっているという事でした。
もちろん大前提として、業務を丁寧に。ご利用者様に親切に接すると言うのは福祉系の職業が持つ理念でもあり職場自体がそれを推奨している場合が多いです。
それはこの仕事をやっている身として、誠心誠意心掛けています。
しかし、冷静になって考えてみると本当に頑張るべき事って「頼まれていない事」ではなく「頼まれた事」なのでは?と休職期間に忙しかった頃を思い出してハッとしました。
②「頑張る」ではなく「やるべき事を最優先で行う」事が重要だった
これが一番の発見で、パワハラで休職した自分が復職したら最初にやろうと思った事がまずはこれだったんです。
理由としては、復職するのに前と同じ事をやっていたら何も変わらないから。
これを試して駄目だったら単純に自分に合わなかったって事だから退職しようと思っていました。
なんでこんな基本的な事に気が付かなかったんだろう、と言うのは皆さんが普段働いている職場でも心当たりがあるのではないでしょうか?
やるべき事と言うのは依頼された内容その物です。
例えば
・トイレ介助をしてほしい
・食事介助をしてほしい
・更衣介助をしてほしい
等のご依頼をされているご利用者様が居たとします。
本来ここで行うべきは前述した3つがベースであり、それに付加価値として施設で全体に向けて行っている体操だったりレクリエーションなんかが付属されてきます。
復職してすぐ現場の流れに合わせながら働き、周囲を観察してみるとやはり明らかに忙しい原因って言うのが「頼まれていない事」に集中していました。
一人の対応しやすいご利用者様へ過剰に依頼内容の範疇を超えた物や、確かにやって貰ったら嬉しいだろうなという過剰な動きが積み重なって仕事が圧迫されていたんです。(対応しやすいご利用者様と言うのはあくまでも一例です)
本来あるべき流れとしては、ご依頼されている内容を対応し終わったら同じ様に他の方を対応してゆく事です。当たり前ですけど。
手の掛かる状態のご利用者様がいたら、協力してまずは順番通りそちらを対応するべきなんですね。
これが出来ていないと、現場のやりやすい仕事内容に依存した「その時にしか出来ない事」なんかが横行してきます。
現場がやりやすいならいいじゃないか、と思うかもしれませんがこれは違います。
何故ならば、現場がやりやすいだけでそれ以外にも本来やるべき業務が残ったままになってしまうからです。
現場のキャパシティに対して最大限、又は安定して提供できる内容を契約している訳ですから、相手方は実はそれで納得済なんです。
それより優先して、頼まれていない仕事をどんどん自分からやってしまう。
そして挙句それに圧迫され本来最優先で行っておかねばならない仕事が終わらない、慌ただしくなる。なんて事が発生していました。
種類は他にもあると思います、純粋に大変なご利用者様を対応するのに時間がかかってしまった、という事もあるでしょう。
しかし、仕事が遅れてしまう。という状況は本来そう言った頼まれている仕事内容にだけ発生しなくてはなりません。
そうしなければ現場のキャパシティに対して起きた問題へ的確な対策が打てず、誤魔化しで日々業務に追われてしまうのです。
こういった流れは注意して見ていると、本来行うべき業務を後回しにして発生しているパターンが殆どです。
逆に言えばそう言った付加価値として行っているサービス的な物と言うのは、この項目のタイトルにもありますがやるべき事を最優先で行った場合に生まれる余裕に対してあてがわれるべき内容なんです。
物凄く忙しい、しかしやる事はしっかりやっているので依頼内容に不備はない。
というのと
時間に余裕があったから色んな事をやったんです。でも頼まれていた事はバタバタしてしまいました又は何か出来ていない事があります。
では後者に対しての方が依頼した側もちょっと違うんじゃないかなって感じてしまうのではないでしょうか。
その場合、現場への達成感と言うのも訪れないまま要望が増え、既にやってしまってご利用者や家族に気に入られた「頼まれていない事」と言うのはやめるのが難しい状況に陥ってしまいます。
「いつも追加のサービス沢山考えてくれてありがとうね、それのクオリティは下げずに頼んでる事もやってね」
という、同じキャパシティ割と絶望的な状態に気が付いたらなっています。
少しでもご利用者様に何かやってあげたい、と思うのであれば本当に行うべきは
毎回安定したレベルで依頼内容を提供する事=やるべき事を最優先で行う事なんですね。
「それでは何かサービスが足りない気がする」と思うのであればそれはきっと、元々の依頼内容自体に余裕があるんです。
しかしどれ位の付加価値を提供するか決まっていないまま、思いつく限りの優しさでサービスを増やしていった結果、頼まれていない仕事に追い詰められてしまうんだと思います。
依頼内容をしっかり終わらせた後に初めて「どれくらい他の事をやってあげられる」という実現可能な物が見えて来るんです。
しかも不足していると思った部分は本人やご家族とのアセスメントなどで満足いく「やるべき事」として変わってゆくものですし、それ以上を望まれないのであれば全体のご利用者様に平等に対応する為に付加価値は一定で留めて置くと言う選択肢もあるんです。
実際にこれを意識し始めてから、まず率先して依頼内容を行う様に現場で動き始めました。
「あー、今余裕あるな」と思っても、まずは後からでも出来そうと取って置いた仕事を先に行ったり。
前述した優先度の間違いは新人の職員さんにも起きがちで、仕事に慣れない最初のうちは出来ない事を埋める為に必死で頼まれてない部分を頑張ってしまう現象が多いと見て分かるようになりました。
そう言う場合は出来ないから他の事をやらせておくのではなく、必要な事として優先的に苦手な事や出来ない事に一緒に関わる様にします。
すると仕事の内容はまだまだこれから、という新人さんでも「何を最優先で行うべきか」はしっかり覚えてくれるようになったんですね。
自分自身も忙しい時につい発してしまいがち、思ってしまいがちな
「少々お待ちください(これ忙しいだけで凄い何となく言ってる人多い)」
が「今は〇〇を行っていますので、終わったら伺わせて頂きますね」など、目的がハッキリした受け答えがご利用者に出来る様になってきました。
結局待たせてるじゃないか、と感じる人もいると思いますがこれはアセスメント時に満足度調査などを行った際に変化が見られました。
待つ理由が分かっているだけで、必ず対応してもらえると分かるので安心感が違うんです。疎通が取れる方やそうでない方も含め、目的がある動きと言うのは自然と安心感を持ってもらえている様でした。
③それによって得た物(仕事面)
こういう活動は仕事をするうえでも非常に得るものが大きかったです。
具体的には
・精神的な余裕
・仕事をしっかり行えている達成感
・ご利用者からの満足度アップ
等が主な物でした。
精神的な余裕と言うのは中でも一番大きく、やるべき事をやっているという事は契約上で言えば100点に近いです。
頼まれていない事をやっているベテランさんなんかに「もっと工夫して!色んな事やって!」と言われたとして、どう考えても職場と依頼主が望んでいる仕事をしているのは自分の方です。最終的には自らの持ち場の仕事を後回しにしている人と差がハッキリわかれ、それは職場での働き方にも大きく影響してきました。
人間関係が物凄く良くなったんですね。これは主に、自分が要領が悪くて仕事が全然だった時に「あの人仕事出来るなぁ」と思っていた人たちとです。
逆に普段休憩室で不平不満を言っている様な人達とは自然と疎遠になりますが、それにより何か問題でも起きたとして職場から見て問題があるのはやるべき事をやっていない方です。
なんならアドバイスしてあげようか?位の状態になり、仕事場での気分も凄く軽くおまけに評価も上がりました。
そしてそう言う人が増える事で仕事の効率は上がってゆきます。
たとえ自分だけしかそうでなくても、凄くバタバタしている現場で自分には精神的余裕があって尚且つ職場から見たらやるべき事は全て行えている。
そうなると自分に対する非と言うのがどんどん減ってきますので、働きやすくなってきます。
何より管理職時代はこの場合で言う、悪い考えのドツボ状態だったんだなと再認識。あれもこれもやらないといけない、もっと良くしないといけない、もっと、もっと。
とノイローゼの様になり、上席からも更に良くしなさい。
と言われ慌ただしかったあの時に本当にやるべき「更にに良くする」という事への正解がこれだったんだなぁと実感しました。
新しい事を増やして無理して満足度を上げるのではなく、こうした基礎の部分をしっかりやる事でいくらでも余裕は生まれ本当の意味での仕事を良くするアイデアなんかが出て来るんだなと。
実際に自分は未経験~管理職時代に払っていた労力の半分も出さずに仕事ができているのですがお給料なんか変わらないんですよね。
あれだけ努力してた(と思ってた)時と変わったのは管理職を自分から退いた事で変わった手当分くらいです。
この位の労力で文句言われず、むしろ良い方向に行ってるのに同じ給料がもらえるのか。となってしまった物ですから、そこからは現在感じている余裕と言うのを仕事の色んな事に使う事が出来て助かっています。
職場にとって悪いニュースが飛び込んできた時だって、「なるほど、じゃぁ改善策を考えてしっかりやっていこう」位に思えるようになりました。
やるべき事をやっていないベテランさんは改善策を出さずに、過去の事をあーでもないこーでもないとより一層うるさくなりましたけど。
④それによって得た物(プライベート面)
これはもう、時間です。
何よりもこれが大きいです。必要な事が終わっているので昔の様になんで働いてるかも分からない時間までの残業なんか一切やりません。
残業する事で周囲と顔色を見ながら人間関係を保っていた様な事もしなくていいですし、殆ど「今日はありがとうございました!明日もよろしく!」で帰宅します。
自分が完璧に仕事ができるとは思っていませんが、昔から要領よくて仕事ができるなぁと思っていた人ってこういう風にメリハリのある動きをしてる人が多かったので「こういう事だったんだなぁ」ってしみじみしたのを今でも覚えています。
因みにそのお陰で月間で一桁位しか残業はしません(ミーティングとかが主)
これにより家族との時間、趣味の時間、ただひたすら休みたい時間なんかが毎日確保できるようになりました。
暇という訳ではないんです、何と言うかやれる事はしっかりやったし失敗したとしても文句より先に真摯に改善すべき事として反省する事が出来る様になったので家に居ても仕事場の事を一切考えなくなりました。
意外と多いんじゃないでしょうか?自宅に帰ってもその日起きた悪い事とかイライラした相手の事を考えている時間が長い人。
改善策とか前向きな事を考えたりするのであればまた違うかもしれないのですが、自宅でどれだけ協力にそれらを念じても職場に超常現象的に何か変化が起きる事はありません。
イライラした相手に関しても、両名はっきりと喧嘩したとかでなく不満レベルであれば恐らく相手はこちらの事なんか考えてすらいないんですよね。
そんな相手の事をプライベートの時間を使ってまで考えるのはハッキリ言って無駄です。仕事は仕事場でしか発生しませんし完了しません。
忘れちゃいましょう。
明日はこの仕事をする!と退勤時までに決めて帰って、翌日それを行えれば何の問題も無いんです。むしろそっちの方が誰もがありがたい状態だと思います。
そんな訳でプライベートが充実し、途絶えていた旧友との交流も増えてくるともう一つハッキリする事があります。
必要な事が終わっていて、尚且つそれが維持できているのであれば有給休暇って普通に取っていいんじゃない?と。
何を言っているんだ、有給休暇は誰だって取っていい物だぞ!と思う素晴らしい仕事をされている方もいるかもしれないのですが自分の様に働き方を失敗した人間はそれが分かっていても休むことなんかできませんでした。
理由も無く休みたい、って思っていた状況から「来月はここで私用を済ませたいから有給取りますね」が言える様になったんですね。
これは職場の状況により絶対取れるとは言いずらい物がありますが、物事の優先順位とか必要性が分かって働いていると言える様になるんです。
急用以外で物凄く忙しいと分かっている日にわざと取得するとかそう言うのは流石に駄目だと思うのですが(規則上は可能ですけど)、事前に申請してそれに合わせて仕事を進めたり準備して休むのであれば本当に全く問題ないんですよ実は。
急に休んだら現場の人も困ってしまうとは思いますが、自分が休んだせいで今日は何もできない!なんて事は絶対に無いんですよ。あったとしてもそれは自分ではなく、有給休暇の申請を受け取ってもなんの準備もしなかった職場に原因があります。
しっかり休みましょう。有給全部消化する!と言うのは難しいかもしれませんが、本当に大切な時に使う日数以外は使える時に使う練習をするのも大切だと思います。
仕事をしっかりする上で、そう言うスタイルの人だと周囲が慣れるまでそんなに時間はかかりませんし有給を使わない様に指導してください!なんてのは仮にそんな文句があったとしても通っちゃったら労働基準監督署の出番ですね。
有給休暇を取る理由は遊ぶだけではありませんし、緊急の時だけでもありません。
最近仕事で疲れてるなーと思っている場合に「今後体調を崩して職場に影響を出さない様に」リフレッシュする目的で使っても全然良いんですよ。
自分はそれのお陰で行えていなかった趣味を復活する事が出来てとても心身ともに安定しています。
休むだけでも良いんですが、やはり趣味が心置きなく出来ると言うのはメリハリがついていい循環を生むんですね。
記事の最初の方に書きましたが、このブログではこうした自分の体験談と併せてプライベートで気分転換に役立ったアイテムなんかを紹介してゆく予定です。
理由としては自分も休職中にそうだったのですが、仕事で悩んでいたり疲れている時ってリフレッシュしようにも何やろうか思いつかない事が多いんですよ。
その時に何をやって復職までリフレッシュしたかというと、色んな人が紹介する楽しかった!という趣味を真似したり興味を惹かれたアイテムを自分も買って見たりして過ごしたんです。
元々アウトドアが趣味なので、何年も行けていないキャンプでもしようかと色んな商品を見たりしました。
最近の物は良く分からないので、最初は安い物から手を出して次第にこだわって行ったりして。今ではすっかり楽しんでいます。
抑圧された心身と言うのは自然と触れ合ったり、外に出なくても普段と違う物を使って見たり些細な事でも変わってゆくと感じました。
記事の内容自体が辛い仕事を思い出したりして書いたり読んだりされる物でもありますので、記事の最後の方では気分転換や何か新しいきっかけ作りになれば良いと思っていますので色々と目についたものを紹介させて頂こうと思っています。
⑤まとめ
長々と書きましたが、これだけ持論を展開しておいても「これが正しい」とは言えません。人の考え方は千差万別です。
しかし、一人の失敗した人間としての体験談ではありますので必要な所だけでも参考にして貰えると嬉しく思います。
介護の仕事に対して感じているあなたの辛さと言うのは正しいです。
本当に辛い仕事です、物凄い労力なのにお給料安いですし責任も重いです。
頑張るぞ!と全て我慢して仕事をして成功する人も中には居ますが、介護と言うのはゴールして次の案件!なんて言うジャンルの仕事ではありません。
自分の持つ技術を安定して提供する為に国家資格などを用いて、プロとして働いています。無理をして不安定な仕事をするのは誰にとっても良い事ではありません。
なので長丁場のこの仕事、頑張らなくて良いんです。必要な事さえできていれば。
望まれているサービス内容を自分なりにしっかりと達成する為に、一つの考え方としてこう言うのはいかがですか?と言った感じで読んで頂ければ幸いです。
プロとして必要な事は必ず行う真摯な対応を続けていれば、頼まれていない事をやって本分を疎かにする人より絶対に相手の役に立っています。
この記事を読んでいる人は仕事に迷いや悩みがある人が多いと思います。
どうせ迷った挙句普段通りの生活に戻ってしまうなら、自分だけでも守ってあげてください。仕事は大切ですが、仕事をしているあなた自身も大切な人間です。道具ではありません。
今後も体験談を書いてゆきますので「こいつ本当に要領悪く仕事してたんだなぁ」位に思いながら読んで頂ければ幸いです。